手術前の検査

 2月4日に一連の検査を受けました。朝早く大学病院に出向くと、血液検査会場前には、すでに30人ぐらいの人が待っていてびっくり。早い話がこの大学病院で外来向けに実施される血液検査をすべてこの場所で行っているという事です。

 順番待ちのカードをもらって、付近の椅子で読書をしながら待機。番号を呼ばれたので室内に入ると、採血のブースが20ぐらい並んでいて、それぞれに番号が振られています。

 該当する番号のブースに出向くわけですが、ともかく一斉に20人ぐらいの看護士さんが、20人ぐらいの患者さんの採決をするという情景で、ある意味工場みたいなもんだなと感じました。

 指定された椅子に座るとベテランに見える看護士さんが、「今日の検査は、通常より採血本数が多い7本になります」と申し訳なさそうに言います。

 「そんなに多いんですか?」とがっくりした様子を見せつつ採血開始。ところが私の意気消沈した姿に同情したのか、血管の状態が悪かったのか、ベテランに見えた看護師さんがいきなりしくじったようで、いつもより痛い目に合いました。

 何とか数本確保したところで、看護師さんも疲れていたのか、若手の明るい看護師さんに交代。この人はうまかったです。あっという間に終了しましたが、今回は血液型の確定診断をするために両腕から採るという初めての経験もしました。

 血液検査結果ですが、折角なので健康診断代わりになると思い、表になっているものをその後の診察の際に医師に頼んで印刷してもらいました。

 結果を見ると、いつも通りコレステロール値が少し高い以外はすべて正常値の範囲内。これは良かったです。

 ちなみにこういった血液検査の数値は、すべて自宅のパソコンのエクセルファイルに記録して、健康状態の変化を見ています。すでに血液検査を行うたびに20年以上続けているので、私の健康状態の上下動がはっきりわかります。

 最悪だったのが30代後半。若いのに、ちょっと責任ある仕事を押し付けられ、忙しさとストレスで暴飲暴食気味になり、体重増加、肝機能数値悪化、血圧上昇と検査結果は要精密検査のマークがずらずらついていました。

 そのころに比べると、今はコレステロール関係が若干オーバーしているだけで、ずいぶん数字の上では健康になったなと感じています。

 続いて行われたのがレントゲン撮影。これは簡単。ただ胸部から腹部まで3枚撮影したことが珍しいです。肺に若干影があるのはいつものことです。原因は不明。それよりびっくりしたのは、背骨がゆがんでいること。

 いつもは肺の部分しか撮影しませんから、その下の腰に至る部分の背骨は、当然まっすぐ直立しているものと思っていました。ところが撮影し画像を見せてもらうと、S字型にうねっています。これはショックでした。

 しかし担当医に言わせると、「この程度は誰でもあります。むしろ身長や年齢を考えると良い方かもしれません」とのことでしたが、加齢に伴って腰痛が生じるというのは、こういう歪みの原因もあるのだろうなと思いました。(私自身は今のところ腰痛はありません)

 また心電図は、今回も正常。年初にかなり動悸を感じたので、その時もかかりつけの診療所で心電図を取りましたが、期外収縮はナシ(私は脈の乱れを感じていましたが)、代わりに若干の心肥大を指摘されています。(高血圧が原因らしいです)

 というわけで、とりあえず手術には耐えられる体であると医師は判定してくれました。(しかし手術に不向きとなったらどうするのか?疑問は尽きません)

 医師からは検査結果の説明に続いて、病気の原因と手術のやり方について少し細かい説明がありました。ここでようやく私も納得したのですが、そもそもおなかには腹直筋という強い筋肉がへその下から急所の部分まで続いています。

 ただしこれは腹部の前面すべてを覆っているわけではなく、腰骨のちょっと内側部分で途切れているようです。その外側には、背中からまた別の筋肉がくっついているわけですが、この二つの筋肉の間が鼠蹊部となります。

 この鼠蹊部には男性の場合、精子を運ぶ管があるので完ぺきに閉じることは出来ず隙間が空いているようで、鼠蹊部ヘルニアと言うのは、この隙間が加齢や何らかの原因で広がってしまうという現象です。

 さらに、この内部には腹膜があって、さらにその内側に大腸や小腸があります。つまり外から見て膨らんだ部分と言うのは、筋肉の切れ目に腹膜の盛り上がりができてしまい、その内側に腸があるという構造になっているということです。

 従って通常は、皮膚、筋肉、腹膜、腸と言う順番になって内臓が格納されているのに、それが皮膚、腹膜、大腸と言う順番になるという説明です。

 そこで昔は筋肉そのものを縫い合わせるという多少強引な手術が行われていたわけですが、今は筋肉と腹膜の間にメッシュと言う、網目構造になった人工の膜を入れて補強するということのようです。

 こうすると、腹部の内圧によってメッシュが外部の筋肉に押し付けられることになり、腹膜が飛び出るのを防止することができるというものです。というわけで、次は手術に伴うリスクの説明でした。


手術方法の説明


初期症状と診断


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