あっという間に手術終了

 医師が氷の入ったビニール袋を取り出して、上半身にくっつけて「冷たいですか?」と聞いてきます。当然冷たいので「はい」と答えると、「それじゃあここはどうですか?」と聞いてきます。

 しかし冷たさどころか、どこにその袋が押し付けられているのかまったく感知できません。「全然感じません」と答えると、それが麻酔OKという合図になったようです。ある意味原始的な方法です。

 続いて酸素マスクがつけられました。「もうすぐ鎮静剤が入るので、そのままリラックスしていて下さい」と言われ、結構意識があるんだと思いつつ、暇なので一か月後に出かける予定の、大好きなハワイのビーチの情景に思いを馳せながら深呼吸を繰り返していました。

 すると突然耳元で看護師さんが「もうすぐ終わりです」と声がかかりびっくり。この時自分は半分寝ていた状態だったんだと初めて気が付きました。当初は酸素マスクを装着して10分ぐらいしか経っていないように感じられました。

 さらに数分後「終了です。お疲れ様でした」と言われびっくり。手術そのものは癒着があったのか、1時間以上かかっていたようです。付き添っていた母親と妹に確認しました。

 ちなみに事前にネットの情報で調べていたことですが、手術前に浣腸をするという事はありませんでした。また手術後に導尿管を入れると言った行為も一切なし。ただし手術直前に左半分ぐらいの剃毛がありました。

 手術が無事終了し、マスクが外され「では病室に移動しますので、病室用のベッドに移ります」と言われました。しかし、ともかく下半身に感覚が全くないので、言われるがままに「はい、分かりました」と答えます。

 当然自力では全く動けません。すると手術代の横に病室用のベッドが備えられ、私の周辺に5人ぐらいの人だかりができ、掛け声とともに持ち上げられ、横へ平行移動です。体重の大きい人だったら大変だろうなと思いました。(私は62kgぐらいです)

 ちなみに手術前に履いていたパンツは、手術が始まる前にいつのまにか脱がされ、医師や女性看護師が見守る中で、下半身がすべて露わになっていたはずです。

 さらに剃毛ですが、どうやらバリカンみたいなもので、手術室に入ってから剃ってくれました。これも手術直前の方が感染等の危険が少ないという話です。

 また「終わりました」と言われ、「分かりました」と答えましたが、なんか妙にしゃべりにくかったです。下半身麻酔の影響が声帯や喉の筋肉等に影響を与えているんだなと感じました。

 同時に腰から下の感覚が全くありません。なんとなく足がしびれているような不快な印象があるのですが、それを正そうと思っても全く足が動かないというか、足の感触がないので非常に苛立たしい思いをしました。

 病室への移動は、仰向けになって目をつぶっていましたが、時折目を開けると天井がすごい速さで動いています。ベッドの移動を見守る一般の患者さんの視線も感じました。

 移動時間はエレベーター経由で数分。病室は今回ともかく手術と言うものが生まれて初めての体験で、なおかつ1〜3泊と言う入院期間だったので、そのぐらいなら差額ベッド代も少なくて済むだろうと思い個室を希望しました。

 ドアを開けて、普通の病室ならすぐにベッドになるわけですが、シティホテルのスイートルームぐらいの広さの個室で、ドアから通路が続き、両脇にトイレと洗面所がありました。どうやら個室の中でももっとも広い部屋になったようで、これは予想外。(料金も高かったです)

 部屋には母親と妹が待機していて、この時初めて手術の時間が1時間半ぐらいだったことを知りました。やたら長かったので心配だったそうです。

 午後の3時半ごろ、とりあえず部屋に落ち着くと看護師さんが来て、「麻酔が切れるまで、このままの状態で安静にしていてください」と告げられました。この時点で、手術終了を待っていた母親と妹に、帰っていいよと告げました。妹にはついでにペットボトルの水を買ってきてもらいました。


麻酔が切れると強烈な痛みが


手術


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