手術翌日はすることがない

 朝食を終えてしばらくすると、配膳係の人がトレイを撤去。その姿を確認してトイレへ。手術日当日午後の移動に比べると、痛みはあるものの激烈ではないため、「少し楽になったな」と思いつつ移動。

 ただし便器に腰かけるのも恐る恐る。どんな状態のとき激しい痛みが発生するのかは、その態勢をとってみないと分からない部分があります。

 幸いなことに個室に設置されているトイレは車いすでも利用できるようにあちこちに手すりが設置されていますので、それにつかまりながら徐々に便器に腰を下ろして一段落。

 「出るかな?」とは思っていましたが、予想通り全く出る気配なし。というか腹部に膨満感があるのですが、それを押し出そうとすると腹筋が必要で、ちょっとでもそういう意識をすると痛みます。

 つまり全く意識せずに力も加えず自然に出るのを待つ、という状態ですから、出ようにも出ないということなのかもしれません。これは前回の左鼠径部の手術でも経験したことなので、「やっぱりだめか」と思いつつトイレは断念。

 再びゆっくり立ち上がり歩きだしてみると、先ほどより痛みは少ない。起き掛けは一晩寝ていて筋肉が若干硬化しているせいで、動き始めは痛みが増すようです。

 ベッドに戻る途中で、窓のカーテンを自力で開けたりできましたから、「これなら、今日でかなり回復するな」と感じました。ちなみに本来の入院予定は手術前日からの2泊3日の予定です。

 つまり退院日はこの日になりますが、「さすがに今日の夕方では不安だな」という印象です。カーテンを開けて、ベッドに戻り、上半身を斜めに起こしてテレビを見ていたら、回診の時間になったようで、7〜8名ぐらいの医師や看護師さんがどやどやと部屋に入ってきました。

 「調子はどうですか?」という問いかけに「まずまず順調です」と答えながら、何とか立ち上がると、「患部を見せてください」と言われ、病院着のズボンを下ろし、さらにパンツの上部を15cmほど下げます。

 一団の中には若い看護師さんと思われる方もいて、この瞬間は結構気恥ずかしい。一番偉いと思われる医師が、患部を見て「特に出血はなさそうですね」と言いながら、患部を軽く押したため、結構痛い思いをしました。

 とはいえ「順調です」というありがたい言葉をもらい、一団はどやどやと退室。残された私は再びベッドに寝てテレビのニュースの続きを見ます。

 しかし昨晩眠りが浅い状態が続いたせいか、見ているうちになんとなく眠くなってきたので、その衝動に逆らわずにベッドを倒して目をつぶっていたら、あっという間に寝込んだようで、起きたら時刻は11時過ぎ。

 心なしか患部の痛みもまた少し減少。再び本を読んだりテレビを見たりしていたら昼食の時間。「さっき食べたばかりなのにな」 と思いましたが、もともとの量が少ないせいか腹も減っている感じ。

 「回復期に入って、体も食べ物を欲しているのでは」と思ったので、迷わず完食。食後再びベッド上で休憩。しかし読書やテレビ以外することがない

 「困ったなあ」と思っていたら主治医の先生が現れて、再び患部をチェック。午前中来た医師同様に「出血もなく順調ですね」と言われましたが、ついでに「退院は明日でもいいですか?」と聞いてみると、「いいですよ」という返答。

 これで退院日が決定。結局3泊4日の手術入院となりました。



ひたすら安静


自宅で療養


トップページへ