手術室から病室へ

 手術は無事終了。私が目覚めて喉の症状が落ち着いた頃を見計らって、「それではこれから病室に戻ります」と言われ、手術台から数人がかりで持ち上げられて移動用のベッドへ移動。

 私の方は意識が戻ったとはいえ、全身麻酔の後遺症の影響から完全に脱出したとはいえず、周囲の状況は3割ぐらいが夢うつつの状態です。

 移動用ベッドに移されて移動が始まると、これは過去にも経験したことですが、目を開けると天井が飛ぶように過ぎていきクラクラするので 、目をつぶったままエレベーターに乗車。

 そのまま病室まで移動し、同行していた数名の看護師さんの手により、またしても体全体を持ち上げられベッドに移動。病室には妹と息子も待機していて、ほっとした様子。

 しかし病室には戻ったものの、声を出すのが結構もどかしい。移動を手伝ってくれた看護師さんたちは、「何かあったらこのボタンを押してナースを呼んでください」と言いおき退室。

 とりあえず静かな環境になったところで、妹や息子に「もう大丈夫だから、いつ帰ってもいいよ」と何とか伝えて、そのままうつらうつら。

 時刻は11時前後だったと思うので、手術に要した時間は予想通り約2時間。実際の手術時間は1時間程度かと思われますが、入室から手術準備、点滴確保、睡眠、全身麻酔という時間や、手術後の覚醒という時間を含めて2時間ぐらいだと思われます。

 ちなみに前回左鼠径部のヘルニア手術は下肢麻酔で行われました。この場合は点滴を確保してから、腰椎に麻酔注射を行うわけですが、この注射そのものは、周辺に事前に局所麻酔が施されるようで、痛みは全くなし。

 ただ手術後に覚醒してから数時間は下半身が全く動かず、当初私は手探りで腰部をさわったりしましたが、手で触れているのが固い箱のようなもので、脳はそれがなんであるのか全く理解しなかったようです。

 あとになって、麻酔が徐々に切れて分かったことは、その固い箱のようなものは私の腰骨だったという認識になるのですが、不思議な体験でした。

 またこの時は、麻酔が切れてからの痛みが激烈で参りました。しかし今回は病室に戻ってから全身麻酔の影響はあまりなく、体の違和感は全くなし。

 痛み止めの効果もあるのか、足を動かすと痛いのですが、「激烈」というほどではなかったです。もちろん痛み止めが処方されていたのだと思いますが、「これなら日帰り出術で痛み止め服用で帰宅も可能かも」という印象です。

 ただし夕方になって痛み止めが切れてくると(効果は服用後6時間ぐらいだそうです)、やはり痛い。ずっと同じ姿勢で仰向けになっていると、どうしても足を動かしたり、寝返りを打ちたくなります。

 当然恐る恐るそ〜っと動かすわけですが、そのたびに「ズ〜ん」という感じの重たい痛みが患部を襲います。その頃には妹や息子はすでに帰宅していて、私は病室に一人だけ取り残されていましたから、個室の利点を生かして、遠慮なく「いててて」と声を出します。

 その間1時間ごとぐらいに若くて可愛らしい看護師さんが入れ代わり立ち代わりで病室を訪れてくれ、検温や血圧測定、聴診器で診察、患部の様子を視認してくれます。

 ちなみに手術直後の体温は37.5度まで上昇。また血圧も降圧剤を停めたせいか155/95とちょっと高い。というわけで翌日から再び降圧剤を飲んでくださいという指示になりました。
  



痛い思いをしながらトイレへ


自宅で療養


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